神聖魔法団【下】
黎兎の慌てたような声が聞こえた。
その声で皆も私の様子に気がついたのか近寄ってきた。
寝ていた雷も。
「どうした?どこか痛い?」
黎兎の声がいつもより優しく聞こえる。
心配してるんだ・・・。
ダメだ、心配かけちゃ。
「だ、大丈夫・・・。ちょっと、頭が、痛いっ、だけだから・・・ッ」
無理に笑おうとしたけど、それすらも出来ないほどの痛み。
いきなりどうしたんだろ・・・。
「大丈夫じゃないだろ!とりあえずソファーに寝かせよう」
体が宙に浮いたのが分かった。
至近距離にある黎兎の顔。
そんな不安な顔しないで。
大丈夫だよ。
ソファーの感触が背中に感じた。