神聖魔法団【下】
side黎兎
「れな・・・?おい・・れな!!
何して・・ッ・・・おいっ・・おい!!!」
どれだけ叫んでも、もう動かない。
俺の目の前で俺を庇って・・・。
「黎奈ちゃん・・・?」
「黎奈、嘘でしょ・・・?」
「マジかよ・・・
嘘だろ・・・?」
<あーあ死んじゃった>
「てめぇ!!」
<はいはい。うるさいよ
でもまぁ持ち帰って魔力を吸収すれば良いか>
カイザーがゆっくり近づいてきた。
「お、おい。なにすんだよ・・・?
黎奈に触んなよ!!!近付くんじゃねぇ!!」
<ギャーギャー騒ぐな。どうせコイツはもう死んでんだ
もう生きてないんだよ。だったらここにいてもダークホールと消えるだけだ。
それは勿体ないからな。だから持ち帰ってやるって言ってんだよ。
感謝しろよ>
「ふざけんな!!
持ち帰るって、黎奈は物じゃねぇんだよ!!!」
<はいはい。分かったからもう黙ろうね>
「許さねぇ・・・。お前だけは絶対許さねぇ!!!」
雷が突っかかる。
<はっ、何も出来なかったガキが粋がってんじゃねぇぞ?>
「っ・・・」
歯を食いしばっている。
<ガキはそこで大人しく見てろ>
ムカつく、腹が立った。