神聖魔法団【下】
悲しい問いかけには答えずに
ゆっくり風雅に近付くと
優しく抱き締めた。
「る・・・くっ・・・。
黎奈、ちゃんが・・・ッ。
黎奈ちゃんが・・。うわあああああっ」
風雅が泣き崩れた。
「あぁ。分かってる。分かってる・・・ッ・」
瑠雲も静かに涙を流していた。
「俺が、俺が悪いんだ・・・」
「やめろ雷。誰も悪くない」
「俺が、あの時怪我してても炎虎のところに戻らなければ・・・。
あの時、黎奈の傍で戦いを見守ってれば防げたかもしれないのに・・ッ・・」
「あそこで全員揃っていなかったとしても別の形で黎兎は狙われたかもしれない。
だから、自分を責めるな」
「悔しいんだよ!!
なにも出来なくて、ただ目の前のことを何もできずに見てたのが悔しいんだよ!!
ざけんなよ・・・。
なんで・・・なんでだよ!!!
くそ・・ふざけんな・・・」
そう怒鳴った雷の目からはとめどなく涙が溢れていた。
初めて雷があんなにも感情を露わにしているのを見た。
不思議な感覚だった。