神聖魔法団【下】
episode.6
悲しみ
side雷
ゴシゴシッ
頬についた涙を乱暴に拭う。
「今日はもう帰ろう。
みんな疲れただろう。
それに色々考えたいこともあると思うし・・・なっ」
真っ赤に腫れた目をしっかりと開いて皆を見渡す。
「俺がまた連絡するまでここには来なくていい。
きっとカイザーもすぐには動き出さないだろう。
今日はこれで解散だ。
早く帰れよ。」
皆すぐには動きださなかったが
少し時間が経ってからゆっくり動き始めた。
「ふうくん、帰ろうか」
黎兎の胸から離れた天音はフラフラしながらも風雅の元へ行った。
「瑠雲、ふうくん送って行くね」
「あぁ。お願い」
「ふうくん行こう」
天音に呼ばれノソノソと立ち上がった。
「じゃぁ、皆またね」
2人は静かに出て行った。