神聖魔法団【下】
「そこまで惚れた女なら命をかけて助けろ。守れ」
一瞬、怒ってるように聞こえた。
でも違った。
やっぱ俺は涯には一生敵わない。
「当たり前だ」
「それでこそ雷だ」
俺と涯は拳を合わせた。
涯の目を見る。
俺の目を涯が見る。
言葉なんていらない。
お互いに目を逸らし
「風雅たち何やってるんだろうな」
何事もなかったように接する。
「炎虎に巻き込まれて大変な目に遭ってんだろ」
「そうかもな」
俺と涯はそれぞれやりたいことをやった。
外では蝉が鳴いている。
もうそろそろ夏が終わって秋がやってくるのか。
季節が変わるのと同時に俺たちの周りの環境も変わっていった。