神聖魔法団【下】
手がかり
side黎兎
夏休みも終わり2学期が始まった。
今はHR中だ。
「神城黎奈は家の事情で長期休暇をとった」
久しぶりのクラスの皆の顔。
わきあいあいと話をしていた皆に涯が言った一言。
「え、なにかあったの?」
「大丈夫なのかな・・・」
「黎兎!なにかあったのかよ?」
「病気とか・・?」
教室がざわざわし始める。
黎奈はクラスの奴等から信頼されていて人気もあった。
だからこそ皆心配なんだろう。
「ちょっと色々あってな」
こう言うしかなかった。
他に言葉が浮かんでこない。
「大丈夫だ。またこの教室に帰ってくる」
騒がしかった皆の声に被せるように涯が言った。