神聖魔法団【下】
「なら良かった」
「ちょっと焦ったわ」
「黎奈がいないと楽しくないもんね!」
「早く帰ってこないかな~」
悲しくないのに泣きたい気分だった。
涙がでるわけじゃない。
でも、心が締め付けられる思いだった。
「黎兎~。黎奈にさ早く教室に来いって言っとけよ!」
突然、隣の生徒に声をかけられる。
前の俺だったら、この言葉が辛く感じたかもしれない。
だけど、今は。
「しょうがないな~!伝えといてやるよ」
前向きな言葉がでる。
伝える。
約束だ。
「そういうことだ。あまり心配はするな。」
涯の方を見ると少し笑っているように見えた。