神聖魔法団【下】



「いや、炎虎の様子が変わりすぎてついていけない」




「あぁ」



俺と雷は炎虎の方を見る。




「まぁ最初の頃のアイツは怖かっただろうな。
でも、あれが本当の炎虎だから。
うるさいかもしれんが付き合ってやれ」




本当の炎虎ね・・・。




確かに明るくて元気なのはいいけど俺の中ではクールで怖いっていうイメージしかなかったからイマイチ、ピンとこない。




「これは黎奈にも言ったがアイツは心を開いた奴にしか、ああいう顔はしない。
俺が知ってる限りでは黎兎の前でもああいう顔してるぞ」




もう1度炎虎の顔を見る。



めっちゃ笑ってる・・・。




“心を開いた奴にしか、ああいう顔はしない。”




「なんだよ、ソレ・・・」



雷に気付かれないように小さく呟いた。




「しょうがないな、付き合うか」




溜め息を零しながら言った。



「そうしてやってくれ」



雷の元を離れ、風雅たちの元へ行く。






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