神聖魔法団【下】
俺は皆の後ろで涯と一緒に歩いていた。
その前に雷と瑠雲。
1番前で騒いでいるのは天音と風雅。
楽しそうだな~。
そう思いながら歩いていたら
「黎兎」
不意に呼ばれた。
呼んだ人は涯だった。
「ん?」
顔を涯の方に向ける。
「3カ月、辛いかもしれないが待ってて欲しい。
必ず連れて帰るから。」
驚いた。
いつも涯は周りのことをよく見ていて言葉をかけてくれる。
話しが終わった後、俺が少し考えてたのを気付いてたんだ。
あまり顔に出さないよう気を付けてたのに涯は気付いてたんだ。
心配かけすぎだな、俺。
でも、俺はもう大丈夫。
「3カ月だろ?待てるよ。
長いかもしれないけど3カ月待てば黎奈は帰ってくるんだ。
だったら待てる。
それと約束はしなくていい。必ずとかはいらない。」
俺の言葉に驚いたのか立ち止った涯。