神聖魔法団【下】
「その戦闘に黎兎も巻き込まれるかもしれないんでしょ?
ならお母さんも一緒に。
ワガママなのは分かってる。だけど怖くて堪らないの」
胸の前で組んだ手が微かに震えている。
「お願い。
お母さんも一緒に連れて行ってて。
お願い」
母さんの目があまりにも真剣だから目を見ることが出来ず逸らしてしまった。
「俺が決めることじゃない。
だから何とも言えないけど話してはみる。」
「ありがとう」
俺は気まずくなりリビングから出た。
自室に戻り、涯に電話することにした。
画面に涯の名前を表示し、発信ボタンを押す。
3コール目ででた。
『もしもし。黎兎か、どうした?』
「もしもし。
実はちょっと聞きたいことがあってさ」
母さんについて話した。
どう話したらいいか分からなかったから
しどろもどろになったけど、自分なりの言葉で伝えた。