神聖魔法団【下】
「初めまして。
九楼炎虎です。黎奈にはいつも助けられていて頼りにしてます」
炎虎のこんな姿を見たことはないから少し違和感を感じる。
いつも強面で恐れられている炎虎もしっかりするときあるんだな。
「黎兎、後で覚えとけ」
ゾクッ
俺の斜め後ろに炎虎はいた。
俺にしか聞こえない声で確かにそう言った。
顔にまたでてたのかな・・・。
「あはは・・・」
苦笑いしか零せなかった。
「こんにちは。初めまして。
空田瑠雲です。黎奈さんには本当にお世話になってます。
今の俺がいるのは黎奈さんのおかげだと思ってます」
「こんにちは!
三剣風雅です!黎奈ちゃんにはよく可愛がられています!
黎奈ちゃんの笑顔が僕の元気の源です!
それぐらい僕の中で黎奈ちゃんの存在は大きいです!」
風雅の挨拶に母さんが微笑んだ。
「あら、なら貴方が将来黎奈の婿さんになるのかしら?」
冗談で言ったつもりだろう。
だが
「え?」
「は?」
風雅と雷の声が綺麗に重なった。