神聖魔法団【下】
「ははっ」
涯は多分知ってるんだろう、雷の気持ちを。
だからここで笑えたんだと思う。
俺も気付いてるから少しだけ笑ってしまった。
他の皆はポカーンとしている。
「いや、僕よりもっとお似合いの人がいるので僕は婿さんになりません!」
お、もしかして風雅も気付いてるのか?
雷の気持ちを。
「あ、そうなの。
その人はこの中にいるのかしら?」
「あ、いま「黙れ」ンンッ!」
雷が風雅の口を塞ぐ。
ほっといたら名前を言いそうな勢いだった。
雷も必死だった。
「あらあら」
母さんは気付いたみたいでクスクス笑っていた。
当の本人は気付いてないようで、まだ風雅の口を塞いでいた。
「んんんー!!」
声にならない叫びをあげてる中、
「まぁ座りなよ」
俺は皆にソファーをすすめた。