神聖魔法団【下】
だけど殺される前に1つしておきたいことがあった。
黎奈が俺めがけて剣を振り下ろす。
「いやああああ!!」
母さんと天音の悲鳴が重なる。
「ぐっ・・・」
[なんだと・・・・]
目を逸らしてしまった涯の目に信じられないものが映った。
黎兎が黎奈の振り下ろした剣を両手で受け止めていた。
「ぐっ・・・。
やっぱ強いな、力・・・」
[こんなことがあるか。
ただの人間が受け止めきれるはずがない
ゼオラ!とっとと止めを刺せ!!]
その言葉で更に力が加わる。
「うっ・・・。
れ・・な・・・。
お前、は、本当にっ、記憶を、なくしたのか・・っ?
そんな、簡単にっ・・・消えるぐらいの、思い出、だったのか?
思い出してよ・・・。
思い出せよ!・・・・・姉ちゃん!!!」