神聖魔法団【下】
「!?」
本当に小さかった。
耳を澄まさなきゃ聞こえないぐらい。
だけど俺にははっきり聞こえた。
黎奈の声だった。
覚えてる。
黎奈はまだ全部忘れちゃいないんだ!
[ゼオラ?]
「黎兎!!」
「うお!?」
名前を呼ばれたと思ったら後ろから炎の玉が飛んできた。
俺と黎奈の間に落ちたため、黎奈はすぐに後ろに下がる。
そのとき違和感を覚えた。
真っ黒な服に少しだけの違和感。
なんだ?
「黎兎、大丈夫か?」
「あ、あぁ。大丈夫。
なんで動けて・・・?」