神聖魔法団【下】
もしかして・・・。
「涯、もしかしたら黎奈を戻せるかもしれない」
隣にいた涯に耳打ちをする。
「なるほどな。
それはあるかもしれない」
母さんと天音にも説明をした。
「それで戻るの?」
「分からない。だけどやってみる価値はあると思う」
「俺もそう思います、黎華さん。
ただ、俺はもうほとんど魔力が残っていない。
さっきの魔法で消耗しすぎた。
失敗したらもう後がないぞ」
「一か八か賭けてみよう」
「わかった。
やってみよう。
炎虎に伝えてくる」
「頼む」
この方法で黎奈が戻ってこれば。
皆の体も、もうボロボロだ。
天音も攻撃魔法が使えない分、炎虎もやられたら大変なことになる。
これに賭けるしかなかった。
頼む。黎奈戻ってきてくれ・・・。