神聖魔法団【下】
[所詮は人間だ。
俺たちに勝てるわけがない。]
「だから何だ?」
痛む腹部を抑えながら立ち上がる。
「確かに俺たちは人間だ。
だが、人間だからって負けるとは決まってない」
決めたんだよ。
守ってもらったんだよ。
辛さも苦しさも悲しみも全部我慢して俺たちのために必死に戦ってくれたんだよ。
「誰が弱いって?
そんなの分からねぇじゃねぇか。
勝った奴が強いんだよ!!!」
ふらふらになりながら歩く。
「俺たちはまだ負けてない。
弱くなんかない。
歯ぁ食いしばって戦ってんだよ!!
恐怖も不安も全部全部押し殺して仲間のために戦ってんだよ!!
大事な人助けるために命かけてんだよ!!!」
雷も、風雅も、瑠雲も、天音も、炎虎も、黎兎も、黎華さんも、綾兎さんも、黎奈も、
「大事な人だから、生きてほしいから
生きててほしいから!
自分の命を犠牲にしても助かってほしいから!
体ボロボロになってでも戦ってんだよ!!
自分奮い立たせて立ち上がってんだよ!
ここで負けるわけにはいかない。
俺はここで倒れるわけにはいかないんだよ!!!」