神聖魔法団【下】
「そうか・・・」
手で目を覆う雷。
頬には涙が伝っていた。
「黎奈、よく頑張ったな。
黎奈のおかげでカイザーは消えたよ。
すごいな、やっぱ。
自慢の姉だよ・・・っ。
本当、ありが・・となっ!」
泣くまいと必死に堪える。
笑うんだ、黎奈は俺の泣く顔なんか見たくないはずだ。
笑え。笑え。
「黎兎・・・」
「母さん、俺ここまで皆を連れてくるよ。
雷と黎奈を頼んでも良い?」
「・・・任せて」
黎奈の傍から静かに立ち上がる。
これ以上ここにいたら俺の中で何かが崩れそうだった。
背を向けて歩きだす。
「ふぅ・・・」