神聖魔法団【下】
「涯、炎虎」
名前を呼ぶと涯がこっちを見た。
「黎兎・・・」
「迎えに来た」
涯は何も聞かない。
炎虎の上からゆっくり退く。
目を閉じている炎虎。
「炎虎・・・?」
「大丈夫だっ、ただ、眠ってるだけだ・・ッ・・」
「そっか。よかった・・・。
皆を黎奈の元に運ぼうと思って」
「炎虎から頼む・・」
「わかった」
炎虎をおぶる。
服に血が滲んだが気にせず歩いた。
炎虎を運んだら次は涯を連れて行った。
涯は終始無言だった。