神聖魔法団【下】



地面を殴っていた。


何度も何度も。




「やめろ!!」




手を掴む。



よくみると血が滲んでいた。




「もう、やめろ・・・」




「っ・・・・」




「2人を黎奈の所に運びたいから手伝ってほしい」




俺がそう言うと立ち上がって黙って風雅を担いだ。



俺も瑠雲を背負った。




一言も話さず歩き始めた。





確かにカイザーは消えた。




だけど、カイザーとともに俺たちの中でたくさんのものが消えた。





もう元には戻らない。




失ったものは蘇えらない。




受け入れなきゃいけない。



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