神聖魔法団【下】
「説明してくれ!!」
そう言い肩を激しく揺する雷。
「雷、落ち着け!!」
酷く体力が消耗していて精神的にも辛いんだろう。
言葉を選んで皆に説明する。
「黎奈がまだゼオラだったとき俺の名前を呼んだんよ1回だけな。
そしてその時ネックレスの存在に気付いた。
俺の読みはあってた。
ネックレスを壊せば黎奈は戻ってくるっていう読みがね。」
「戻ってこなかったぞ?実際」
「いいや。戻ってきてたんだよ。
黎奈は。涯も気付いたんだろ?」
「・・・あぁ。
ネックレスが壊れて炎虎が刺されたあと、黎奈を見たら笑ったんだよ、一瞬だけ。
その笑顔が黎奈だった。
だけど、黎奈が炎虎を刺すはずがないから信じたくなかった。
訳が分からなくなって、とりあえず炎虎は守らなきゃいけないと思って覆いかぶさった」
「それはフェイクだよ、涯」
「え?」
「黎奈は振りをしてたんだ。
ゼオラの振りを。カイザーにバレない為に炎虎を刺したんだろう」
「何言ってんだよ?
だからって刺すはずないだろう?」