神聖魔法団【下】
「ゼオラはもう1人の黎奈だ。
カイザーは人間の憎しみ、恨み、悲しみ、苦しみが大好きだったはずだ。
だからきっとその気持ちを利用してゼオラを作りだしたんだろう。
いくらネックレスを壊したとしても黎奈がゼオラを受け入れなければ目を覚まさないと俺は思う。
今、黎奈はLichtという光を心にもちながら闇であるゼオラと戦ってる。
俺たちは応援しかできない。
祈ることしかできない・・・。」
辛い。
黎奈が目を覚まさないってことはそれほど受け入れたくない闇ということだ。
俺はどうして気付けなかった・・・。
そこまで黎奈を追いこんでいたのか?
いつも笑ってるけど人1倍傷付きやすかった。
わかってたじゃないか。
なのに俺は・・・。
「黎兎」
後ろから誰かが俺を包み込む。
「自分を責めないの。
黎兎のせいじゃない。誰のせいでもないの。
人は必ず心の中で闇を抱えているものなの。
それを受け入れるか受け入れないかはその人の強さ次第。
大丈夫、黎奈は強い子よ。
こんなことで負けたりなんかしない。
だから目が覚めたときいっぱい抱き締めてあげよ?。
もう大丈夫だよ。よく頑張ったね。っていっぱい褒めよ?
いっぱい、いーっぱい愛そ?
黎奈は私たちの大事な家族だよ」
涙がでそうになった。
必死に堪える。