神聖魔法団【下】



怖い気持ちを必死に抑える。




「負けない。負けたくない」



Lichtは微笑んでいた。




「先ほども話した通り、今、黎奈さんはカイザーの魔法によって封じ込められています。
封じ込められてしまっては何も出来ません。
ですが、黎奈さんは特別のようです。」


「え?」



「聞こえませんか?
仲間さんの声が。黎奈さんは本当に愛されているんですね」






そう言われ耳を澄ましてみる。





【黎奈!】



【黎奈ー!!!】




【わかれよ!このバカ黎奈!!】




「っ・・・」




涙が溢れてきた。




「応えてあげてください。
そうすることでカイザーの魔法は弱まると思います」



Lichtの声が優しかったからなのか、



皆の声を聞いたからなのかは分からないけど



涙がどんどん溢れてきた。



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