神聖魔法団【下】
全身に鳥肌が立った。
黎兎・・・。
「れいとおおおおお!!!」
叫んだ。
大事な家族の名を。
この世でたった1人の大切な弟の名を。
「黎奈さん、どうやら今の声は黎兎さんに届いたみたいですよ」
「え・・・?」
「後は黎兎さんが気付いてくれるかどうかです」
よく分からなかったが、黎兎が何かしてくれたんだろう。
嬉しくなり思わず頬が緩んだ。
「そこで黎奈さん1つ頼みたいことがあります」
Lichtの話に耳を傾ける。
「・・・なんですけど、どうでしょうか?」
「・・・・・うん。いいよ」
ちょっと迷いはあったけどLichtを信じることにした。
お父さんが信じた人。
私も信じなきゃ。