神聖魔法団【下】
「気にするな」
答える変わりにニコッと笑った。
「ほら、天音。
黎奈が目を覚ましたらやることあるんだろ?」
泣いている天音の背をさすりながら黎兎が優しく言う。
「う、うん・・・」
するとポケットから何かを取り出した。
お札?
涙を手で乱暴に拭うと
「これはね、黎奈が目を覚ました時使おうと思ってずっと持ってたんだ。
ずっと眠ってたから目を覚ました時、体が辛いかなって思ったから治癒魔法を念じてあるんだよ。」
そう説明してくれた。
なんか、涙が出そうだった。
目が潤んでいく。
「れな・・・?」
黎兎の心配そうな声に抱き着いていたお母さんが私の顔を見る。
「黎奈!?
どこか痛いの・・・?」