神聖魔法団【下】
答えることが出来ない。
変わりに涙がどんどん溢れてくる。
「黎華さん、ちょっとそこ代わってもらってもいいですか?」
雷が私の顔をチラッと見た後、そう言った。
不思議そうにしながらもお母さんは私の横から退いた。
雷が私のそばまで来る。
じっと見つめた後、体を支えてくれた。
上体が起き上がる。
そして、そのまま抱き締められた。
「おかえり。
良く頑張ったな。
1人で怖かったろ?でも、もう大丈夫だ。
俺たちがいる。
帰ってきてくれて、ありがとう」
声は相変わらず出ない。
涙が雷の服に染みを残していく。
良く見ると体はボロボロで服には少し穴が開いていた。
それを見るだけで酷く心が痛む。