神聖魔法団【下】



「黎奈・・・」



皆が心配そうに私を見る。




気付かれないように涙を拭う。




「みんな、ごめんね。
私、仲間を大事な家族を傷つけちゃった。
もう戻れないよね、ごめんなさい」



風雅の方を見ながらそう言った。



「そんなこと・・・」



「ううん。傷付けたのは紛れもない事実。
もう風雅は帰ってこない。私のせいで。
ごめんなさい」



顔だけを皆の方に向ける。




「謝らなくていい」



雷はいつだって優しかったよね。



その優しいところが大好きなんだ。




雷の言葉には返事をしなかった。




「もう1度私にチャンスをください」




今度はきちんと皆の方を見る。



「チャンス?」




「うん。
幸い、瑠雲と炎虎は生きてる。
それに私にはまだ魔力が残っている」



< 581 / 632 >

この作品をシェア

pagetop