神聖魔法団【下】
「黎奈・・・」
皆が心配そうに私を見る。
気付かれないように涙を拭う。
「みんな、ごめんね。
私、仲間を大事な家族を傷つけちゃった。
もう戻れないよね、ごめんなさい」
風雅の方を見ながらそう言った。
「そんなこと・・・」
「ううん。傷付けたのは紛れもない事実。
もう風雅は帰ってこない。私のせいで。
ごめんなさい」
顔だけを皆の方に向ける。
「謝らなくていい」
雷はいつだって優しかったよね。
その優しいところが大好きなんだ。
雷の言葉には返事をしなかった。
「もう1度私にチャンスをください」
今度はきちんと皆の方を見る。
「チャンス?」
「うん。
幸い、瑠雲と炎虎は生きてる。
それに私にはまだ魔力が残っている」