神聖魔法団【下】
「れいと・・・」
泣いていた。
「ふざけんなよ!?
やっと、やっと会えたのに何考えてんだよ?
今、自分の命を風雅に吹き込もうとしただろ?
どこまでお人好しなんだよ!!
確かに、確かに黎奈が風雅を殺した。
あのゼオラっていうヤツは黎奈のもう1人の姿だから黎奈が闇を受け入れたなら感覚とか感触が残ってるはずだと思う。
でも、風雅が仮に黎奈の命で息を吹き返したとしても、お前が居なかったらどう思う?
風雅は絶対自分を責めるだろう。
その苦しみとか辛さを風雅に背負わせるつもりかよ!!」
「うるさい!!!
黎兎に何が分かるの?
私のせいで誰も死んで欲しくないの!!
誰かが死ぬなら私が死んだ方がマシ。
生きてて欲しいの!風雅には!!」
「俺だって同じだよ!!!
お前には生きてて欲しいよ!ずっと傍にいてほしいよ!
家族だから。たった1人の姉だから!
少しは自分のことも気にかけろよ!
どれだけ俺たちがお前を心配したことか。
目を覚ました時は涙がでるくらい嬉しかったんだぞ!!」
「じゃあ、じゃあ・・・どうすればいいって言うの!?
風雅には生きてて欲しいの。笑ってて欲しいの・・・。
ねぇ!!
私はどうすればいいの!?」
感情がぐちゃぐちゃだった。
もう見たくない。
誰も傷付いてる姿は見たくない。
ただ泣くことしかできなかった。