神聖魔法団【下】
「大丈夫・・・?」
「・・・あま、ね・・・?」
意識が朦朧としているのか焦点が合ってない。
だんだん意識がはっきりしてくると
「っ!風雅は!?黎奈は!?」
そう言って勢いよく起き上がる。
風雅の方を見た瑠雲は言葉を失った。
きっと夢であってほしいと思ってたんだろう。
だけど現実だった。
風雅の頬を触った瑠雲の目から一筋の涙が零れ落ちた。
「風雅、良く頑張ったな」
その言葉は小さく儚く、暗闇の中に溶けていった。
ふと風雅から視線を上げた瑠雲と交わる黎奈の視線。
「あ・・・」
瑠雲は慌てて涙を拭う。
「黎奈、戻ってこれたんだね」
そう言ってニコっと笑う。
その笑顔は前までの眩しいほどの笑顔ではなく誰でも分かる作り笑いだった。