神聖魔法団【下】



「・・・・。」




瑠雲と炎虎から目を逸らす黎奈。




その視線の先には風雅がいた。




炎虎はそれに気付いていたが何と声をかければいいか分からず黙っていた。




「黎奈」



すると瑠雲が黎奈に声をかける。



黎兎は黙って2人の様子を見ている。




「本当は言っちゃいけないことなんだけど、
今の黎奈を見てると辛いから言うね」




そう言った瑠雲の顔は本当に辛そうだった。




「風雅と、この前一緒に帰ってるときの話なんだけど、
黎奈の話になったんだ。

その時、風雅がこう言っててさ、
“きっと僕が黎奈ちゃんを助けようとして死んじゃったら黎奈ちゃん悲しむよね”って。

それは誰もが想うことだと思うって俺が言ったらアイツなんて言ったと思う?
“黎奈ちゃんのことだから僕の為に自分の命犠牲にしそう・・・。もし、そういうことあったら全力で止めてね!!”
そう言ってたよ。

黎奈、変なこと考えてないよな?
アイツは確かに死ぬのは怖がってた。
だけど、自分の命を犠牲にして助けてもらっても風雅は嬉しくもなんともないと思う。
黎奈が生きてることがアイツの中では嬉しいことなんだ。」





「どうして・・・」




「黎奈?」



< 588 / 632 >

この作品をシェア

pagetop