神聖魔法団【下】
この言葉を伝えてる間、涙は止まらなかった。
もう冷たくなってしまった体を自分の体温で温めるようにギュっと強く隙間なく抱き締める。
「ありがとう」
風雅の耳元でもう1度そう言った。
ゆっくり風雅から離れる。
静かに寝かせて、皆の方を見る。
「風雅は私たちの大事な仲間であり、家族でもあるよね?」
私の問いかけに応えるものはいなかった。
皆、泣いていて声が出なかったのだ。
だけど、目を見れば分かる。
涙を拭うと風雅から1歩1歩遠ざかる。
そのたびに後ろを振り向きたくなる衝動を抑える。
泣いてる皆の元に戻る。
いつの間にか皆1つの所に集まっていた。
もう、私たちに魔力は無い。
魔力はなくなったとしても私たちは仲間だ。
これだけは変わらない。
変えたくない。