神聖魔法団【下】



黎兎とお母さんはお父さん一直線に走って行った。




残りの皆は驚きを隠せていないようだった。




言葉が見つからないのか誰も口を開かない。





「父さん!!!」



「あやと・・・あやとおおお!!」




泣きながら2人が飛び着く。




本日2回目の体当たりだった。




「おっと」




だけど、それを私と同様受け止めるお父さん。




「綾兎・・・。あやとおおお・・」




「父さん、会いたかった・・・。ずっと会いたかった・・・!!」




ボロボロと泣く2人の体を優しく抱き締める。




その目にはうっすら涙が溜まっていた。




<俺もだ。ずっとずっと、会いたかった>




幸せだなと感じた。




昔はよく見る光景だった。




今は絶対に見れない光景。



嬉しくてまた涙が溢れてきそうだった。




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