神聖魔法団【下】
心に温かなものが流れてくる。
離れていた分、色々な気持ちが溢れてくる。
それが涙となってお父さんたちの目から流れていた。
「っ・・・へへ。
久しぶりに父さんに褒められた。
俺、頑張れるよ。
・・・・・ありがとう・・・ッ・・・」
涙を見せないようにしてるのか下を向きながらそう言った。
黎兎の頭からお父さんの手が離れる。
<生きろ。辛いことがあっても逃げずに生きろ。
不可能なことは努力すれば可能に出来る。
忘れるな>
黎兎の耳元でそう言った。
「はいっ・・・。忘れないよ」
バッと顔を上げる。
笑顔が灯っていた。
「父さん、ありがとう」
そう言った黎兎の表情はお父さんが大好きな笑顔だった。
<あぁ。>
お父さんたちの体が消え始めた。