神聖魔法団【下】
手に持っているのものを見て言葉を失う。
「黎奈、おめでとう」
そう言って私に手渡してきたのは
「可愛いだろ、それ」
大きなクマのぬいぐるみだった。
「これ・・・」
「うん。前に黎奈が欲しがってたもの。
結構高かったんだぞ?」
1年前の丁度この時期にお母さんと黎兎と買い物に行った時に、このクマのぬいぐるみと会った。
すごい欲しかったけど高かったから結局買えず諦めて帰った。
その時のことを黎兎は覚えててくれたんだ。
嬉しくてぬいぐるみをギュっと抱き締める。
「ありがとう・・・」
「黎兎はずっとお前が帰ってくることを信じていたからな」
「え?」