神聖魔法団【下】
「黎奈」
不意に雷に名前を呼ばれる。
「ん?」
「できた!」
私の声とお母さんの声が被る。
「じゃあ、いくわよー!」
その声と共にカメラのスイッチを押す。
ピッピッピ
一定のリズムが刻まれる。
その音がやけに遅く聞こえた。
私の後ろでは風雅と瑠雲がはしゃいでいる。
雷の次の言葉を待つ。
シャッターが鳴る数秒前、
「おかえり」
雷のその声と「カシャッ」っとカメラのシャッター音が重なった。