神聖魔法団【下】
「ねぇ、本当のこと聞いても良い?」
黙っているマルムに問いかけると静かに目を閉じてしまった。
「マルム?」
「わかった、話そう」
そう言って目を開けた。
なにかを決めたかのような目だった。
「ありがとう。
それと、きっと、向こうに連れていくと皆に色々言われると思うけどいい?」
「気にしない、されても当然のことをワシは犯してしまったからのぉ」
なんだろう、この違和感。
さっきから話しててずっと何かが引っかかっている。
気のせいかな?
僕、マルムに会ったことある・・・?
いや、そんなはずはない。
「どうしたんじゃ?」
「え?あ、なんでもないよ」
変なことを考えるのはやめよう。
「それじゃあ今から向こうに行くよ」
「あぁ」
僕はマルムの腕を掴むと瞬間魔法で移動した。