神聖魔法団【下】
「後、どのくらいの時間こうやって話せていられるの?」
「・・・・それは分からん。
勝手に消えるからのぉ」
「そっか」
僕は聞いてみることにした。
「ねぇ、マルム。
今、向こうで泣いてる女の子に見覚えあるよね?
それと僕にも」
「・・・・・」
マルムは表情を崩さない。
「僕はまだしも名前を聞かなくても顔見ただけで分かったよね?
天音のこと」
「え?」
僕の声が聞こえたのか天音がこちらを見る。
「風雅、どうした?」
「ねぇ、マルムさ、人間であったとき名前なんだったの?」