神聖魔法団【下】
雷の言葉を無視し、マルムの返事を待つ。
「なんのことじゃ。あの子にもお前さんにも見覚えなんてないよ。
人間の頃の名前なんぞとっくの昔に忘れた」
「嘘。
本当は覚えてるんでしょ?
それに、さっきから天音のことチラチラ見てるでしょ?
それはどうして?」
「覚えておらぬ。もうやめてくれ・・・・
ワシは見ておらぬ・・・・」
「やめない。天音の為でもある」
「何の話をしているの?」
天音が不安気な顔でこちらを見る。
「天音、この人は「やめてくれ!!!」
大きな叫び声と共にマルムが立ちあがった。
それぞれ構えだす、3人。
「大丈夫だよ、マルムは僕達に本当にもう攻撃なんかしない。
ううん。出来ないんだ」
「どういうことだよ?」