神聖魔法団【下】
「マルムは元は人間だった。
人間の頃のマルムを僕は知ってる。
天音も知ってるはずだよ」
「え?」
「マルム。ううん。心音さん」
「!?」
天音の目が見開かれた。
「え・・・・嘘でしょ・・・・?」
「嘘なんかじゃないよ、天音」
心音(しおん)さん。
天音のお父さん。
僕は自分で言ってて目頭が熱くなるのを感じた。
「違う、お父さんなんかじゃない。
だってお父さんは小さい頃に亡くなった・・・」
「カイザーは死んだ人に魔法をかけて姿を変えるんだ。
それがたまたま天音のお父さんだったってこと」