ジグソーパズル
私たちが抱きついたままトイレの前で座り込んでいると、男子トイレのドアが開いた。


私と亜蓮は同時に出てきた男子を見る。


さっきのクラスメイトだ。


クラスメイトは一瞬立ち止まって、ジーッと私たちを見つめると言った。


「なに?やっぱりナイトと木本ってデキてんの??」


私はその言葉を聞いて、冷静になって亜蓮の顔を見つめる。


大きな目にぱっちり二重で、整った眉と口。


私と同じことを言われてもなお、キョトンとした顔で私を見つめる亜蓮。


興奮して抱きつくことが日常茶飯事過ぎて、おかしいとは思わなかったこと。


でもそれをいざ指摘されると、やっぱり何だか気恥ずかしい。


私はドキドキしながらも、それを表に出さないように亜蓮から離れて、クラスメイトを睨みながら言った。


「うるさいな!ただの友達だ!!」
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