ジグソーパズル
『特別な存在』。


ただの友達には納められない存在。


異性の壁を乗り越えた親友以上の仲。


お互いに異性として好意を抱いたことがあるかどうかは、本人に伝えたことない。


だから、亜蓮が私を好きかどうかなんて私には到底分からないことだ。


でも。少なくとも。


私は亜蓮に好意を抱いたことはある。


でもお互いに特別な存在という関係が長く続き過ぎて、今はもう分からなくなってしまった。


もし、また私が亜蓮に好意を抱いたら、私は亜蓮にその気持ちを伝えるだろうか?


私は楽しそうに笑う亜蓮の顔を見て、気付かれないように小さく首を振った。


きっと言わないだろうなぁ。


言ってしまってこの関係が壊れるのが嫌だから。


まぁ、今はこの関係で全然満足している。


そんなことを考えているとすぐにクラスについて、静かにドアを少しだけ開けた。


もう授業は始まっている。


私は廊下から4人に向かって手招きする。


すると4人は先生の顔を伺いながら静かにこっちやってきて、教室から出てきた。
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