ジグソーパズル
それでもやっぱり受け取ってくれない亜蓮に、最後は私が根負けして千円札を財布にしまう。


そしてため息をついて言った。


「そんなに言うならゲーム代は亜蓮に譲るよ。その代わりに夕食代は私に譲って」


私は呆れたように笑って亜蓮を見る。


亜蓮は顔を輝かせていった。


「マジで!?アオの手料理とか初めて!!」


…ん??


私の…手料理!?


「ええ!!」


「それじゃあ俺買ってくるから、アオは隣のスーパーで先に買い物してて!」


遠ざかって行く亜蓮を私は呆然と眺めていた。


わ、私…夕食をファミレスでもおごらしてって意味だったんだけど!!


あんなに期待されたら今更言い出せないよ…。


私はトボトボと歩きながら中古店を出て、隣のスーパーに入った。


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