叶うはずだった恋
先週の日曜日は4人で私とお母さんの部屋の家具を見に行った。
健斗の家めっちゃ広くて。
今まで家で使ってた、まだまだ使えそうな家具も全部新調してくださった。
私はベッドにクローゼットとタンス、机、椅子に本棚と、
布団、カーテン、絨毯を買っていただいた。
昨日健斗の家に行って、届いた家具を健斗に手伝ってもらいながら並べた。
「梨穂ー。引越し屋さん来たわよー」
「はーい」
リビングからお母さんの声が聞こえて、部屋を出る。
いつもごちゃごちゃしていたリビングも、ダンボールだけの殺風景になっている。
「…住み慣れたこのマンションも今日でお別れか…」
ぼそっと呟く。
「そうね。さっ、玄関近くから荷物なくなってるから、そろそろここに来るよ」
呟きが聞こえたのか、微笑しながらお母さんが答えてくれる。