猫渕さんと犬尾くん
恐ろしく遅い。

「やっと気がついたね、
ここは私の家だよ。
犬尾君近所の公園に倒れてたってか
寝てた?かな。ボロボロになって。」


そっかそっか、イテテと言いながら起き上がり

「ああっ!
俺が居たあたりに、その、
なんもなかった?」

「うん?
と言うと?」

「いや、ほら、
あー、なんもないならいいんだ。」

何だ犬尾くん?
何をそんなに気にしているんだ?

「ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないよ?」

犬尾くんは観念したかの様にボソッと言った。


「…だよ」

「え?聞こえなかった」

「人だよ!」

急に大声で言われてびっくりした。
人?

「なんで?」

犬尾くんは頭をガシガシとかいて、


「鈍いなもう!
分かれよ、喧嘩だよ!喧嘩!
なんでここまで言わなきゃ
なんねーんだよ!」
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