猫渕さんと犬尾くん
「よし、落ち着いたか?」
「なんかゴメン。」
犬尾くんがしばらく背中をさすってくれて大分落ち着いた。
すると、
犬尾くんはポツポツと語り出した。
「いいよ、
俺さ、中学ん時いろいろあってさ。
グレたんだ。
酒とか煙草に意気がって手をつけてみたり、
毎日喧嘩ばっかして。
今から思えば何やってたんだか。
でもいくら酒を飲んでみても、煙草を吸ってみても、喧嘩しても心はポッカリ穴が空いていて
なにしても何一つ満たされなかったんだ。
そんな事してるうちに母さん倒れちゃって。
何してんだろってやっと目が覚めて。
その頃中学三年の秋で。
いい大学行っていい職について母さんに、楽させてやらなきゃって思って。
秋からだったけど猛勉強して今の高校受かったんだ。」
ざっくりとだけど、自分のことを教えてくれて嬉しい。