猫渕さんと犬尾くん

妙な沈黙が訪れたが、
それは彼の
クシュンッ
可愛らしいクシャミで破られた。

「うわ、恥ずかし!
何今の、恥ずー」

「ふふっ」

「笑ったな?笑ったな?
人のクシャミで笑ったな?」

何故かもう必死で彼の顔が真っ赤で、

「あはは、犬尾くん可愛いー。ふふふ」

「おい、男に可愛いとか言うな。」

「ゴメンゴメン、
そういや、犬尾くん家帰らなくても大丈夫?」

「ああ、大丈夫。
母さん今実家に帰ってるから。父さんは単身赴任で地方に行ってるから今家にいるの俺だけ。
それより猫渕さんこそ大丈夫なの?
男家に上げても。」

「ああ、私も全然大丈夫だよ。
それこそ私一人暮らしだから。」

「そっか一人暮らしなんだ。
すげーな!頑張ってな。
じゃあ俺帰るわ。」
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