猫渕さんと犬尾くん

「っく」

痛い。思いっきりビンタされた。
あーもう、入学二日目でこれかぁ、
呆れて涙も出ないや。


「ははっ」

「おい、何笑ってんだよ!」


呆れて笑が出てきただけなのに
癇に障ったのか


「お前状況分かってんの?」

「ビンタされて頭おかしくなったんじゃない。」


と、後ろにいたのまで出て来て、

ドンッ


「きゃっ!」


グシャ


「あっ、ごめーん。
そんな勢い良く倒れると思ってなくて。」

「せっかくの新しい制服が汚れちゃったね〜。」


ぎゃはははは


あーもう、本当どうしてくれんだ。
制服が泥まみれじゃないか。

これじゃこっちに来た意味が…


「どうしたの黙っちゃって?
あっ、もしかして泣いてる?」


ぎゃはははは、ちょーウケる。
と、馬鹿みたいに笑う目の前の人たち。


「でも、あんたが悪いんだからね。
もう犬尾様に近付かないってんなら、
やめてあげても良いけど?」


あー、もうダメだ!

私の中の何かが吹っ切れた。


「誰がこんくらいで泣くか。
大体、初めに言ったけど。
なんで、私がお前らに縛られなきゃなんないわけ?
意味分かんないんですけど。
犬尾様犬尾様って言ってるお前らが
あいつの気持ち考えれてねーじゃん。
あいつも、大変だよな。
自分の仲良くしてる友達制限されちゃ。
しかもこんなやり方で。
この、卑怯者共が!」


一気に言ってやった。

皆んな顔を歪めると


「ってめ!」


目の前にいるボスが
また右手を振りかざした。
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