猫渕さんと犬尾くん
パァンッ!
さっきと同じ様な音が体育館裏に響く
が、私にはその手は届いていない。
遥希が私の前で屈んで
守ってくれたから。
「おい…てめー等何してやがんだ。
何したか分かってんのか!!」
地の底から響いてくる様な
恐ろしく冷たい声で物凄く怒っている。
私には彼の顔は見えなかったけど
きっと恐ろしい顔をしているんだろう。
「大丈夫か?何されたんだ?」
そう優しく問いながら振り向く彼は
今恐ろしい声をしていた彼とは思えない。
そして彼が私に振り向いた時、
今だと言わんばかりに5人は逃げて行った。
「チッ
逃げやがったか。」