猫渕さんと犬尾くん
二章
「ふぁ〜眠い〜。
あっ月が綺麗、写メとろっかな?」
雲ひとつ無い夜空に
まるでそこだけくり抜かれた様に輝く満月が
丁度レジ辺りから窺える。
「本当だねぇ。
雅ちゃん、今日もうお客さん来ないだろうし
上がってもいいよぉ。」
のほほんとした声が背後から聞こえた
「マスター、いいんですか?」
「いいよぉー」
「ではお先に失礼します。」
マスターの好意に甘え予定より10分早く上がることが出来た。
今日は一日大変だったな
でも、いい友達が出来たな。
久米依儛樹か、裏表の無い子だな。
そう言や、なんて名前だっけ
隣の席の犬…犬 尾遥希だったっけ?
結局あまり話せないままだったなぁ。