ブンキテン


毎週木曜は図書委員の日だ。

完全下校時間まで図書室のカウンターに座って貸し出しとか返却の作業をする。
各クラス二人のペアで。


「た、谷原くん!」

隣にだらっと座る男の子に声をかける。
なに、と優しげな顔でこっちを向く谷原くんは、今日もかっこいい。

「これ、配架行ってくるね!」

ある程度の高さに積まれた本を指差して、席を立つ。

いってらっしゃいと手を振る谷原くんに見惚れそうになるのを避けるために一度あってしまった視線をそらして、本を抱える。

本に書かれた配架位置をみて歩きながら、はぁとため息をつくと、余計な感情がまた募ってきそうで思わず息をとめた。


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