妄想世界に屁理屈を。
「知らん」
「はいバカー。
マジバカ超バカくそバカー!
私はともかく、タマくらい知っとけ。
有名だぜアイツは?」
「なにそれ猫?」
「狐じゃボケ」
大体俺ら一般人に『国』とか『神様』とかわかんないよ…
「あー、私説明嫌いなんだよね、教師なのにさあ」
……?
アカネは色々謎。
「国はいつかは滅びる。
滅ばせ造ってまた滅ぶの繰り返し。
彼女は実に人間くさいやり方でそれを救うんだ。
希望を見つけて手玉にとって操る、ただの人間でもできることをしてな。
まあその子、ちょっと訳アリでね。
希望の勇者くんに「こりゃだめだ」って失望したら、国を壊しはじめる。
だから、まあ…日本ではただの悪者扱いなんだけど」
悲しそうにアカネは言った。
「――私たちのような神は『発生』する」
「発生?」
クスリと妖艶に笑って。
「人間に願われて、請われて。
そうあってほしいという願いは命を神をも生む。
“世界の創造”を願われたんだ、私たちはよ」
ここらへんで俺の頭はショートした。